読書感想文 : 嫌われる勇気

本紹介

書名: 嫌われる勇気 ――自己啓発の源流「アドラー」の教え
著者: 岸見一郎、古賀史健
発行所: ダイアモンド社

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

読書時間: 1時間 (過去に一読済み)
執筆時間: 1.5時間

巷でブームのアドラー心理学のブーム牽引役となった本…という触れ込みで買ったはず。
哲人 vs 青年 の対話形式で、青年が哲人の意見(=アドラー心理学の考え方)に反発したり納得したりしながら話が展開していく。

要約

 アドラー心理学では、次の2点が主要な考え方である。1つは、世界も個々の目的も主観的であり、意味づけを行うのは常に自分であるということをまず認めること。もう1つは、自己受容をしたうえで、他者を信頼して貢献することで、貢献感が得られ、それがすなわち幸福であるということである。
 人間の悩みは全て対人関係によるもので、ほぼすべてが「自分が他者との関係の中で傷つかないこと」を目的とした結果である。しかし、人は他者のために生きているのではなく、自分の目的を叶えるために生きているのであり、他者との関係を問題として扱う必要はない。最終的に自分が結果を引き受けるだろう事柄に対して真剣に取り組み、その課題に対する他者の評価を気にしてはならない。他者の評価を気にかけず、承認されないかもしれないというコストを払った対価として、自分の生き方を貫くことができる。
 過去や未来の出来事に囚われてしまうのではなく、今ここに焦点を当てて、目的に向かって今できることを真剣に丁寧にやっていくことが重要である。それにより、自分のライフスタイルを変えていくことができ、人生の幸福につながっていくだろう。

(484字)

意見・感想

 まず、構成上非常に残念に思ったことから挙げる。青年が最後にコロッと心変わりするが、その描写が唐突でついていけなくなったことである。青年は最後にアドラー心理学を信じて行動する、と誓って終わる。それまでさんざん反発していたにもかかわらず、急にアドラー最高!と意見を変えたのが腑に落ちなかった。
 アドラー心理学の考え方自体は賛同できるし、非常に言いたいことは分かる。しかし、私自身はまだその境地には至れないだろうと感じている。なぜなら、まず自己受容がうまくできていないからだ。ありのままの自分を受け入れるということは、諦めることに他ならないからだ。実力が決定してしまい、「頑張ればなんとかなるのでは?」という希望を打ち砕かれてしまうからだ。私がまだ子供のころの全能感を完全に手放せていないためなのだろう。
 この考え方の問題点は1つ。納得して実践できるまでには時間がかかるだろうということである。すぐに頭を入れ替えることなんてできないし、日常の忙しさの中に忘れてしまうだろう。しかし、たまにはこういう考え方があるということを思い出し、振り返ってみるのも悪くなさそうだ。

(476字)

書いてみて

  • どちらも500字弱と、最初に決めた字数は大きくオーバーしてしまったのが残念。これくらいは必要かな…?
  • アドラー心理学で言っていること自体は、実はよくある自己啓発本の本質と同じようなことを言っていると思います。どれが最初なのかは知らないですが、まあアドラーのほうが先でしょう。
  • 感想に書いた通り、対話形式のために個人的には読みづらかったです。字間や行間、フォントサイズなどは読みやすいのですが。
  • とりあえず、こんな感じでまずは書き散らかしてみて、少し溜まったら見直して自己採点でもしようかな、と思います。